[2003.10.15]
  オリの中の鳥たち


 ▼「もう待ちきれない」-MPEG関連団体、独自のDRM標準概要を発表(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20061236,00.htm


 どんな素敵な鳥でも,素敵ぢゃなくするにはオリのなかに閉じこめてしまえばいい。

quote:MPEG LAは,独自にデジタル著作権管理(DRM)技術に含まれるべき機能の概要をまとめた。概要に当てはまるDRM特許保有者には,MPEG LAによる再審査を受けるよう求め,同団体がそのライセンスの精算機関として機能するようにする。MPEG LAは従来の標準策定作業を避け,各社が安定しないコピー防止ビジネスに業を煮やしている状況を表している。マイクロソフト社の技術は標準化の1歩手前まで行っているが,メディア企業側はとりわけマイクロソフトに支配権を与える気になっていない。

 結果的にDVDが,そのCSSによるDRMが破られてから普及し出したのは,大きな皮肉にも受け取れる。もちろん,CSSを解除している人間など,パソコンを使っている人のなかでも少数でしかないのはわかっている。DVDプレイヤーを購入して利用している人のほとんども,DVD DecrypterやOSExの名前なんて聞いたこともないだろう。だが,それがなければ部屋にDVDが山になってはいないという人も少なからずはいる(わたしもかな。

 オリのなかの鳥は飛び方を忘れる。ぃゃ,普通に飛ぶことはもちろんできるんだけど,大空を自分のものとして飛ぶことはできなくなる。空を飛ぶべき場所としては考えられないのだ。なぜMP3がこれほどまでに普及し,オッグ・ボルビスやAAC,MP3プロなどのような,もっとよいものが表れてもいまだに使い続けられているのか。それは,オリのなかでない,本当の空の広さが魅力的であり,それを最初に味わわせてくれたのがMP3だったからに過ぎない。羽根をもがれた鳥に生きる術はない。動画のDRMを考える人は,その理由を知るべきなのだ。


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